2018年大相撲5月場所(東京・両国国技館)12日目。大関昇進を狙う関脇栃ノ心は11連勝と大関昇進の基準となる33勝を上まわっているが、当確を決めるのはやはり相撲内容。横綱を倒してこそ文句なしとなる12日目、相手は最強横綱白鵬。10年前に初対戦して上手投げで負けて以来10年間で25連敗している。
しかし、ここ数場所の栃ノ心は人間が変わったように鋭い立ち合い、力強い寄り、投げが揃っており、まぐれではない強さだ。
白鵬も先月故郷の父親が亡くなっての場所で、花向けの優勝をしたい気持ちはありあり。そして時間いっぱい、先に立ったのは白鵬。
この白鵬の立ち合いだが、両手をつかずに相手が立つより少し早く立つのだ。機先を制する立ち合い、良く言えば相撲が上手い、悪く言えば汚い。
この立ち合いに栃ノ心は冷静に待った。
これで勝負は栃ノ心が有利と筆者は思った。
二度目の仕切りで両者、がっぷり右四つ。
力相撲の末に、栃ノ心がとうとう白鵬から初白星。
同時に大関当確を決定する12連勝。
全勝優勝の気配も見えてきた。
このまま大関そして横綱へ一気に駆け上がってほしい。