相撲甚句が上手な力士といえば、近年では、元幕内の大至、そして現役では十両の勢。相撲甚句通がよく知るところでは、元幕下の大納川(木瀬部屋)。現役時代の体格は身長180cm、体重120kg。得意手は右四つ、寄り。巡業中は大納川の相撲甚句を聞きに集る人も多く、集る人を楽しませてくれました。
引退後はコロムビアレコードからレコードを出すなど相撲甚句のプロとしても活躍しています。
元、大関魁皇の断髪式では、魁皇の入門から大関になって活躍するまでを歌い上げて大喝采を浴びました。
相撲甚句は、独特の節まわしの中に、地域名や人名などを織り交ぜて歌い上げるので、決まりきった歌詞はありませんが、一応社団法人相撲甚句協会では、前唄、後唄、本唄の歌い方を教えています。当協会が後援する相撲甚句教室もあるので、興味深い方は教室見学会に参加してみてみましょう。
世の移り変わりとともに相撲甚句の歌詞も変遷していますが、七五調で歌の間にあー、どすこいー、どすこいーといった掛け声や手拍子を入れて、語りかけるように歌うのが特徴です。
相撲甚句の歌い方の基本
相撲甚句は演歌やポップスと違って、歌い方が異なるので慣れるのが大変です。甚句は歌うのではなくて、ゆっくり語りかけるように歌い上げるようにしましょう。早口にならずに、一語一語をハッキリと歌います。僕も一応民謡講師(財団法人日本民謡協会認定)の立場で、相撲甚句はこう練習すれば歌えるようになるということを解説してみました。相撲甚句と民謡の歌い方が共通している点をあげれば次のようになります。
- 力強くお腹から声を出す
- 大きく口を開けて歌う
- 節々に抑揚をつける
- 母音を忘れずに
- CDを何度も何度も聴いて耳コピーをする
【重要】CDを何度も聞く、特に歌詞を覚えることが相撲甚句だけではなくて、民謡も演歌も同じです。
歌詞を覚えたらCDを聞きながら、腹から声を出して歌う。
こちらから相撲甚句 の「甚句編」と「力士編」 のサンプルが聴けます。