秋場所に10勝を挙げて、新小結に昇進した朝乃山が、九州場所を前にして寄宿である福岡市中央区の高砂部屋で抱負を語った。
朝乃山は、トランプ大統領が見守る夏場所で優勝して一躍注目を集めた富山県出身の若手力士。
得意は左四つからの寄り切りと上手投げ。
身長188cm、体重171kg(2019年8月現在)と理想的な四つ相撲力士の体格をしており、踏み込んでから左回しをとると無類の強さを発揮する。
まだ、相手の速攻や突っ張りにモロイ面もあるが、それも徐々に克服している。
三役の実力では先場所優勝した御嶽海、大関復帰をした貴景勝もいるが、横綱に一番近いのが朝乃山だと思っている。
確かに貴景勝の押し相撲は威力があり、勝つ相撲を取っているが、横綱になるには、やっぱり縦横無尽な動きができないことには最高位は務まらないと思う。
僕自身は貴景勝は大好きだし、力士にふさわしい立ち振舞もいい。
だけど、横綱になれるか?と聞かれたら条件をつけたい。
その条件とは「ケガをしないこと」
貴景勝は時々強引な相撲を取ることがある。
そうしたときには、足首を捻ったり、膝が裏返ったりする可能性がある。
体が小さいだけに、パワーのある押し相撲力士あいてだと、その辺に不安を覚える。
もうひとりの御嶽海も横綱候補だが、ハートの面でどうかな?
つまり「欲」があるかないか?
勝負には、勝つ欲、出世する欲がないとダメ。
大関になった途端に満足して、万年大関。
つまり、今の豪栄道みたいな力士にはなって欲しくない。
横綱になるには、横綱の責任を全うするだけお精神力が強くないとならない。
精神力を強くするには、稽古十分でなければ横綱としての自信が持てない。
朝乃山は、体が柔らかく、引落しも残せるだけの腰の重さも魅力。
出足も貴景勝や御嶽海にも負けておらず速攻で回しを引くのが今以上にうまくればもっと強くなれる。
十分な型を作りつつある朝乃山。
猛稽古で鍛えていけば来年の九州場所は横綱土俵入りをしているかもしれない。