令和元年の九州場所は15日間満員札止めには遠く及ばず、盛上がりに欠けて、白鵬が好き勝手な相撲で43回目の優勝で幕を閉じた。
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白鵬を好き勝手にさせるな
白鵬には悪いが、あえて好き勝手な取り口といわしてもらう。白鵬に好き勝手な取り口をさせる若手力士というか、白鵬を脅かす若手力士の誕生が遠い。だから白鵬にとっては、張手とかち上げさえ多用すれば、若手は白鵬の懐に入って来れないという上から目線で相撲を取っている。
2日目に大栄翔に負けた相撲は、完全に油断をして、大栄翔をなめた取り口だった。
まさか、自分の懐に飛び込んでくるわけがないだろうとタガをくくっていた矢先に、普通の立ち会いをしたから、大栄翔がズバッときたもんだから、白鵬は自分十分になりきれず、引いて墓穴を掘った。
こうした大栄翔のような取り口に全盛を過ぎた白鵬は弱いのだが、この一番以外は、雁首揃えて、白鵬の仕切りに合わせ、白鵬の立ち会いのタイミングに合わせて立とうとするし、奇策もクソも何もしないから、好き勝手にやられる。
白鵬に張手をカマスくらいの気迫のある相撲を取らなきゃ大相撲といえない。
大相撲を格闘技と思っている白鵬には、全力士も格闘技をやっている気持ちでやらないと、相撲にならない。
御嶽海や貴景勝は自分より下の力士には勝っても白鵬を退治するときは、よそ者みたいな平凡な立ち会いしかでいていない。
朝乃山もそうだ。
立ち会いは両目をつぶって立つから白鵬には通じない、なんとか相撲を取ろうとするが怖がっているものね。
白鵬には、全力士がかち上げてもいいだろう。誰も文句はいわないし、逆に褒めてやるよ。
役力士の休場が多かった九州場所
白鵬のすごいところは、どこに行っても全力士より、1分で1秒でも多くすり足、鉄砲の稽古はするし、立ち稽古でも一番一番の内容が濃い。
逆に若手力士は、親方や関係者が見ているところでは稽古をしている雰囲気を作っている。
幕内だけで鶴竜、高安、豪栄道、逸ノ城、友風、若隆景と6人も休場した。
貴景勝や、大栄翔、明生らが稽古をしているといっても白鵬に言わせると「番数が足らないよ」と一蹴するだろう。
稽古が少ないから、ケガが多い。
すり足の稽古量が少ないから、ちょっとしたことで土俵下に落ちて捻挫なんかをする。
鉄砲が少ないから胸や腕を痛める。
カド番大関高安が来場所は関脇に降格する。
婚約するにはまだ早っかた思われても仕方ないだろう。
炎鵬が千秋楽で勝ち越して来場所は三役以上と総当たりになるが、小平力士の炎鵬が上位陣をどう撹乱するか楽しみもある。
ご当所力士の明暗
ご当所力士で幕内では熊本出身の正代が11勝4敗で敢闘賞を受賞したが、番付下位でこの成績はまぐれと思う。幕内上位になって、この成績なら褒めるべきだが、来場所になってみないとわからいのが正代の特徴。鹿児島出身の明生は負け越したが、15日間通しての頑張りは評価したい。琴奨菊、佐田の海、琴恵光はあいにく負け越した。松鳳山は稽古をしていたのだろう。元気な取り口で技能的な相撲で勝った一番も多かったので勝ち越した。