2018年夏場所を独自に総評
横綱鶴竜が3月春場所に続き、14勝1敗で優勝し、自身初の連覇を達成。昨年は四場所連続休場するなど進退が危ぶまれていたが、見事に復活。まだ悪い癖の引き技が多いが、何とか優勝。まだ完全優勝とまでいかない。
白鵬はケガから復帰して日ごとに力強さが戻っていたが、往年のより強さは衰え傾向にある。それでも優勝戦線に絡んだのは立派だ。
今場所は、横綱稀勢の里、大関高安が休場して盛り上がりが欠ける中、大関豪栄道も負け込んで途中休場した。そういう中で場所を盛り上がりをさせたのが関脇栃ノ心だ。
初場所に優勝してから春場所も10勝5敗、そして今場所は13勝2敗と文句なしの大関昇進を決めた。12日目は横綱白鵬とがっぷり組んでの堂々の寄り切りで完勝。その強さはまぐれでないことを証明した。
小結遠藤は、右腕の故障で途中休場して、すぐに復帰したものの、大きく負け越した。ケガが多い力士だけに再発防止のための稽古もこなしてほしい。
上位陣は栃ノ心以外にも関脇逸ノ城にも注目したが、ツッパリや早い相撲に、もろい面が出た、四つに組むと横綱白鵬を上手投げにするくらいに力量も上がってきたので、この早い相撲にどう勝っていくかが今後の課題。
日本人力士では、小結御嶽海が勝ち越して再関脇昇進を決めたが、足の故障が完治していないので、まだ不安は残る。
前頭上位では、平幕2枚目の阿炎が横綱白鵬を寄り切って場所を盛り上げたが、飛んで回る相撲では上位では勝越しできない。得意のツッパリと早い相撲に、もうひとつ得意な形を作って欲しい。
同じく、ベテラン松鳳山は気力溢れる相撲で、館内を沸かせてくれた。唯一鶴竜に勝ったことが評価されて殊勲賞を獲得。
平成三十年 五月場所 三賞力士
●殊勲賞
・東前頭二枚目 松鳳山(松谷 裕也) (8勝7敗)
二所ノ関部屋 昭和59年2月9日生(34歳)
福岡県築上郡築上町出身 平成18年3月初土俵
敢闘賞
・東関脇 栃ノ心(レヴァニ・ゴルガゼ) (13勝2敗)
春日野部屋 昭和62年10月13日生(30歳)
ジョージア・ムツケタ出身 平成18年3月初土俵
・西前頭十一枚目 千代の国(澤田 憲輝) (12勝3敗)
九重部屋 平成2年7月10日生(27歳)
三重県伊賀市出身 平成18年5月初土俵
・
技能賞
東関脇 栃ノ心(レヴァニ・ゴルガゼ) (13勝2敗)
春日野部屋 昭和62年10月13日生(30歳)
ジョージア・ムツケタ出身 平成18年3月初土俵
夏場所星取表
出展:日刊スポーツより引用